SomogyiのXとラティスのハイブリッドになってからのモデルです。
2003年製作のモデルで同じくModified-Dの物を以前触らせていただいているのでそれらとの比較も含めつつ。


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トップはヨーロピアンスプルース、サイド&バックはブラジリアンローズウッド。
ちょっとこだわりのカスタムオーダーをされた物らしく、フレットがジャンボフレット、チューナーがゴトーとなっていました。

どうしても自分の場合、「おぉ、これがSomogyiか」と思ったのが初めて触った2006年製のSJなのでそれを基準に見てしまうのですが(本当は2010年代とか2020年代のも経験できるといいのですが)、この個体はまだラティスのハイブリッドになる前の1990年代のSomogyiの延長線上にある感覚を覚えました。
個人的な印象として、Somogyiのギターは90年代の物の方が万人受けすると思ってて、"らしさ"と言うか"独特のもの"を持っているのは2000年代のXブレイスとラティスのハイブリッドの構造になってからの物で、後者は好き嫌いがもしかすると分かれるかな、と。とは言え、後者が好きな人はもうこの後者以外は受け付けないくらいな感覚だったりするのではないかなと思っています。
で、このギターはその中間的な感じと言いましょうか。

実際、これの数年後の物ではありますが、SJのほうはトップが見るからに薄く、今回のDの方はそんなに極端に薄いというような印象ではないくらいの厚みでしたので、そういう点でも変遷期とでもいう時期なのでしょうかね。
この辺は試行錯誤の最中とかそういった理由なのか、関わっているお弟子さんの違いとかによってなのかはわかりませんが、ボディーシェイプの違いは置いておいたとしての違いで目に明らかなのはその厚みのところ。
また、最初に載せた以前記事を書いた1本は今回の物と同じ2003年製でボディーも同じくModified-Dだったわけですが、そちらのほうのトップの厚みは気にしていなかったためわからないのですが、気にならなかったってことは今回同様そこまで薄いってわけではなかったのかもしれません。
で、その以前の物と比べると今回のこちらの方が豊かさと言うか音のふくよかさが勝っていたと思います。
正直、同じ年の物ですが結構違ったと思います。
中古ですので所有者の扱いとか保存状態の違いも何かしら影響があるかもしれませんが、それにしても結構違ったように思います。

個人的に触った経験のあるSomogyiの中から1つを自分の唯一の所有ギターとして選ぶとしたのなら今回のこれを選ぶかもしれません。
ちなみに色々所有する中に追加でSomogyi1本を選ぶという仮定ならSJの方を選びます。
ある程度扱いやすく、癖がそこまで強くなく、それでいてしなやかながらもしっかりした押し出し感みたいなのを感じるのは今回のこちら。レンジ的にも変に低音がゴーンと出ちゃうとかもなくバランスがいいと言えると思います。高音側も上品な煌びやかさ。
一方、件の僕が過去に弾いたSJの方は良くも悪くも強く弾けば強く弾いただけ無限に広がるような感覚があって、それゆえに普通以上にタッチの強弱にシビアにならないといけないという感じ。でも唯一無二な感覚。

先に書いたことの繰り返しになりますが、同時期でも結構違いがありますね。
まぁ、僕の場合、現状2010年以降とかの近年物は経験がないのでどこかからは一定しているということもあるかもしれませんが、やっぱり、1本触っただけで"この人のギターはこうなんだ"みたいには決めつけられないですね。