やっとOlsonを理解できた気がします。

少し前の記事や以前のHeinonenの記事とかでOlsonの系譜は未だに傾向を掴めていないと書いていると思うのですが、今回でやっと「あぁなるほど、そういう感じがOlsonか」と掴めたのだろうな、と。

jamesolson_sj_br
(画像はBlue-Gさんより拝借)

トップはヨーロピアンスプルース、サイド&バックはブラジリアンローズウッド。
強度を求めてのものでしょう5ピースのネック。
1ポイントで入る羽のインレイがお洒落。

Olsonの下で製作をしていた時期のあるHeinonenのギターの記事で、Olsonの系譜の特徴を掴めてはいないけど、極めてベーシック(使い方を問わないと言うか)なのがその方向性なのかなというようなことは書いたと思います。
それは改めて間違ってはいなかったと思います。
こういう点が抜きんでているとか、こういう点が足りないみたいなそういうのを感じなかったんです。
だから"こういう特徴"という風に自分の中でも定義できなかった。

これまで、メタリックな音寄りと表現した物やウッディーな音色と表現した物がありますが、このJames OlsonやKevin Ryan,Drew Heinonenのギターは凄く中間的な感じを受けるんです。
木の温かみも内包しつつも鉄弦感のある音質と言うか。
どちらか一方に寄っていない。
また、ウッディーに音が膨らむという感じでもなく、かと言ってメタリックな煌びやかさではない。
バランス型と言うか。
どちらか一方に寄っていないというのと同じになっちゃうかもしれませんが、要は硬くもないし柔らか過ぎもしないって感じなんです。程よく柔軟という感じでしょうか。
"艶感があって優しい音"と表現するのがいいでしょうかね。

日本のルシアーさんの物で多い傾向かなと思いますが(特に一昔前)、リッチな倍音感があり、艶やしなやかさを内包しつつ軽やかに鳴るというのとは違い、もう少ししっとりとした方向性といったところでしょうか。
かと言ってルッツスプルースを配したGrevenとも違うし。
やはりなかなか言語化というのが難しいのですが。

「これが特徴」とこれまでわからなかったし言えなかったですけど、まぁある意味逆にそれが特徴なのかもしれません。
じゃあその傾向のギターがOlsonの系譜以外であるかと言われると、似ている物が思い浮かびませんし。

帯域的にもどこかに寄っているということもないと思うので器用とも言えると思います。