オーダーしておりましたSunamiのギターが完成してまいりました。
オーダーから1年弱、材選びだけでなくわりと細かな指定を何か所かお願いしたり、基本仕様から少し変更していただいたりということもあり、完成を心待ちにしておりましたが遂に出来上がってまいりました。

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いやもうね、アバロンの色味とか幅にも注文つけましてね、でも「この幅のほうがいいのでは?」という勧めもあって飲みかけたんですが、我を通して良かったですね(笑)
凄くかっこよく仕上げていただけました。

アバロンの色味については最初のオーダー時に何となくではあるんですが指定しつつ、Martinのこの個体のような感じがいいですねっていうような話をお店でしてのオーダーで、色味の方向性としての個人的理想はありつつだけど、まぁ何となくそんな雰囲気の方向に収まればいいなくらいな感じで、そこまで「絶対こういう感じで!」というわけではありませんでした。
メーカーにもよりますけど、結構、緑っぽい色味がメインになっちゃってるアバロンの装飾の物も多いので、そういう感じにはなってほしくないなというような希望。
しかし、ここまで完璧にこちらの好みドンズバなところを突いたような出来上がりになってくるとは!

製作者の角南さんとは工房に伺った際にデザインの好みの話とかもさせていただいたんですが、結構個人的には好みの感覚が近いという印象でして、それゆえにほとんど文字で伝えただけのオーダーのスペックだったとは思いますが、完全にこちらの好みを汲んでいただいた結果に。

また、角南さんのギターの過去作品のいくつかで1、2弦部分だけ22フレットまで指板が延長されたデザインの個体がありまして、僕の所有するDもそうなっているんですが、ないよりあったほうが便利だし、デザイン的にもアクセントになって好印象なので今回のギターでも22フレットまであるようにお願いしました。
するとですね、その延長のデザインもブラッシュアップされていました。

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前はそのまま延長されたという感じでしたが、今回は鋭角な感じで、そして直線的ではあるんですが何となくサウンドホールに沿うような形状に。
微妙な違いと言えばそうですが、鋭角な感じに仕上がっているので引き締まって見えますね。

そして材の色味。
バックのココボロは工房にお邪魔した際にも拝見していますし、このブログでも載せましたが、結構薄目な色の材という印象でした。
ココボロと言うと赤黒い感じのイメージをされると思いますが、赤みはほとんど感じないような。
しかし、出来上がってくるとしっかり赤黒いですね。
いい表情をしています。
あとトップ材。
ロゼッタやパーフリングにアバロンを配すこともあって、トップは個人的には白っぽい色味だと高級感と言うか洗練された見栄えになるだろうと思い、白っぽいといいなぁとは思いつつも、選んだ材の種類的にやや茶がかった感じになるのは避けられないかなぁとも覚悟していました。
でもその点も完璧です。
懸念は全て杞憂でした。本当に完璧に僕好みのデザインで完成されてきたな、と。

オーダーってやっぱり、出来上がってみないとわからないというのは多かれ少なかれ避けられないと思うんですよ。
余程密に連絡を取りながら作っていただくとか、何ならDon Musserのように工房に通い詰めるとかすればまた違うのかもしれないけど。Don Musserはデポジットを突き返されて作ってもらえなくなったわけですが(笑)
まぁつまり、ルシアーさんに委ねる部分は当然大きいわけで。
もう完全に自分好みに仕上げるなら自分で製作技術を身に着けて、自分で何から何まで選んで形にしてっていう風にしないといけないでしょう。

でもね、このギターは見た目の部分は完璧に僕の好みを押さえた形で作っていただけたと思います。
まさかここまでイメージした好み通りに出来上がってくるとは思いもしませんでした。
眺めてるだけでも楽しいです。
写真を撮る時も「いい感じにアバロンが煌めく角度に光が入るのはどの感じだ?」とか試行錯誤しながら撮ったりしてますし(笑)

いやぁ、ホント、満足でございます。
今回はデザイン面中心に書きましたが、もう少し弾き込んでから音にも言及して書こうと思います。
実は音の点でも自分が睨んだ着地点に凄く近い感じでできてるんですよね。