現在オーダー中のSunami guitarsですが、遂にお邪魔してまいりました角南さんの工房。
今年のTOKYOハンドクラフトギターフェスの際に「是非来てください」と言っていただいていたのと、搭載するピックアップをお渡しするのもあって長野まで足を運びました。

僕自身、物作りとかは昔から好きな性質ですので、ああいう製作の場は心くすぐられますね。
木材やジグなどを見せていただきました。

特に個人的関心はココボロです。
我がギターにはどんなココボロが使われるのか、と。

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なんでも、角南さんがナイロン弦製作で師事しておられたボアズのところから持ってきたココボロだそうです。
ココボロがあるよとは製作依頼の時に言うんだけど、皆ココボロでオーダーしてこなかったからずっとあった材だとか(笑)
満を持してワタクシが使用させていただきます。

出来上がっていたOMのモデルも少し触らせていただきました。
Sunami guitarsに興味を持った際に試奏しようと思いながら、入店時にすれ違った方が買って行っていて対面できなかったり、中古で戻ってきたけど、訪問すると既に売れていて結局縁がことごとくなかったOMですが、遂に。
ちなみに今回オーダーしたのはSJなんですが、当初はOMでも考えていたんですよね。

角南さんの製作スタンスって他のルシアーさんと比べると独特な印象を受けるのと、話している分では言葉に表れないだけかもしれないけどこだわりというこだわりはなく結構臨機応変なのかなって感じを受けたりするんですが、音はやっぱり角南さんの音なんですよね。
ありそうだけど他にない音っていう印象です。
あとカポを付けて弾くと一番ノレるギターかもしれない。

ルシアーさんがトップ材とかをタップして音作りしているようなシーンって結構雑誌とかでも目にしますが、角南さんはそういうことはしないみたいですね。
むしろカンナをかけて厚さを決める時に削る音が変わっていくのを基準にするのだとか。

そもそも厚みなどは機械である程度決めたところまで薄くする方も多いところだと思いますが、ハンドメイドであるルシアーさんの中でも特に角南さんは手作業工程が多く、導入できている機具が限られているというのもあるみたいではありますが、正に手作りで出来上がっているギターだったりします。
でも装飾的な部分とか緻密だし、手が込んでる感じがいいんですよね。

デザインの話はTOKYOハンドクラフトギターフェスの際にも少ししたんですけど、結構、僕なんかはギターの曲線の微妙なところにうるさい感覚を持ってるとは思うんだけど、角南さんも感覚が似ているところがあって、デザインへのこだわりは結構おありみたい。
デザインについてはまた別に書こうと思いますが、ギターはもちろん音が最重要ですけど、所有欲ってところでデザイン面でも妥協ってしたくないですからね。
作り手としては、やっぱり興味持って手にしてもらうには見た目も重要だろってところもあるみたい。

個人的にはこういう製作においてのルシアーさんそれぞれの哲学みたいなものとかを聴くのが好きですし、オーダーはオーダーで自身の好みを入れるわけですけど、核の部分はやっぱりルシアーさんのらしさを籠めてもらいたいと思っていたりします。
だから誰の考えがいいとか悪いとかじゃないんですけど、音のオーダーができるルシアーさんもいるけど、音についてはルシアーさん本人が"いい"と思える物にしていただければって感じではあります。
まぁ、この方の場合、こういう傾向だから、こういう材選びをするとこの辺りにいくんじゃないか?みたいな思惑は持ってオーダーしたりはしますがね(笑)

ちょっと話が逸れましたが、色々お話させていただいたりの訪問でした。
来年のTOKYOハンドクラフトギターフェスには鉄弦のも持っていく予定とのことでしたので、興味おありの方は是非に。